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福島県の甲状腺検査についてのファクトシート  2017年9 月

福島県の甲状腺検査についてのファクトシート 2017年9 月 (初出:岩波書店『科学』2017年10月号) 転載禁止

このファクトシートは、福島県の甲状腺検査の現状をまとめたものである。甲状腺検査の開始から7年目に入ろうとしているが、かなりの量のデータや関連情報が蓄積されており、情報把握が容易ではなくなっている。特に、関係者により英語発信されている情報は、きちんと分析されていない2巡目の結果を1巡目の結果と合わせるなど、仮に被ばくの影響があったとしても見えなくなるような方法で、放射線影響の可能性を否定しているものが散見される。よって、実情を英語発信するために英語のファクトシートを作成したのだが、英語でしか入手できない公式情報・見解の一部が含まれていることもあり、現状把握のために日本語版のファクトシートも作成した。この日本語版は、英語版の和訳というよりも、説明を補うなど理解しやすいように加筆している。 (英語版PDFは、こちらで公開されている。英語版ロングバージョンは、こちらで公開されている。)

*なお、ブログ掲載にあたり、脚注(i〜xix)は、末尾の文献リストの下にまとめてある。

目次: はじめに甲状腺検査の枠組み甲状腺検査の結果最新結果(2017年3月31日現在のデータより)データの透明性・公正性外科的・病理的特徴甲状腺がんの他のデータ甲状腺がんの高有病率についての公式見解がん症例の前回検査の結果性比について放射線影響についての公式見解最後に
ダウンロードはこちら↓から。 福島県の甲状腺検査についてのファクトシート 2017年9月 by Yuri Hiranuma on Scribd *******************

1.はじめに 福島県は、2011年3月11日の福島第一原子力発電所事故当時に18歳以下だった約36万人の県民を対象とする甲状腺検査を、同年10月9日に開始した。1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故後、放射性ヨウ素への被ばくによる小児甲状腺がんの発症率が劇的に増加したため、県民健康検査[1]の一環として甲状腺検査が実施されることになったのである。甲状腺を放射性ヨウ素から守るためのヨウ素剤は、福島県民のほとんどに配布されなかった。県民健康調査は、国から福島県に出資(経産省の出資を環境省が交付)された基金でまかなわれており[2]、調査自体は福島県から福島県立医科大…